 篆書体 (てんしょたい)
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最も古い書体で、象形文字が基本となっています。
元々は毛筆などで手書きする文字ですから色々な形の文字がありますが、印鑑用に形を整えたものを特に『印篆』(いんてん)と呼んでいます。
紙幣に印刷してある印鑑にも使われている『標準的な印鑑の書体』と言っていいでしょう。
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 隷書体 (れいしょたい)
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絵画的な自由な形の象形文字や(手書きの)篆書体を簡略化したものです。
秦の時代、中国では竹簡といって、竹を板状にし、表面を焼いてなめらかにした上に文字を書いていました。
(それを糸でつなぎ合わせ書籍としました。本を数える単位の「冊」という文字も、この竹を糸でつなぎ合わせた形からできました。)
主に役人が公文書などに使う目的から字形を統一しようと考案されて出来ました。
一定の幅の竹簡(ちくかん)に収まるように、そして一行(一枚の竹簡)に多くの文字を書くためにやや扁平で横幅を抑え、四角形にデザインされています。
もともとは、筆を立ててゆっくりとした運筆で書く書体ですから、やわらかく読みやすい字形になっています。
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 古印体 (こいんたい)
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隷書体をベースにアクセントを付け、日本で作られたデザイン文字の一種です。
隷書の活字を鋳造しようとしたものの、型の細部まで鉛が入り込まずに線端部が丸くなったり、線が切れたりしたものを真似て作られました。
(埋もれていた鋳造文字が腐食したものをイメージしたという説もあります)
字形を自由にデザインでき、肉太で読みやすい事から認め印、銀行印などに多く使われています。
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 楷書体 (かいしょたい)
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隷書体からできた書体です。
『竹簡』の次に『紙』が使われるようになり、筆使いも大きくのびのびと自由な字形になりました。
すっきりと読みやすい字形ですから認め印に多く使われています。
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 行書体 (ぎょうしょたい)
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楷書体を早く、続けて書いた書体です。
印鑑では『読みやすさ』も必要ですので、あまり字形を崩さないことが多いです。
楷書体のすっきりとした読みやすさに『やわらかさ』が欲しい方にお勧めします。
サンプル程度の崩し方だと楷書と行書の中間の意味で『楷行書体:かいぎょうしょたい』と呼ぶ事もあります。
ハンコでもっと『読めないくらいに崩したい場合』はただ『行書体で』と言うだけでなく、更に具体的に注文された方が良いでしょう。
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 印相体 (いんそうたい)
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吉相体とも言われ、篆書を元に印面いっぱいに広がるようにデザインされた新しい書体です。
一文字ごとの読みやすさよりも印影(印影=印鑑)全体のバランスを考えて配字します。
何と書いてあるか読めない事が多く(笑)複雑な線で構成されるため偽造もされにくいと言われています。
最近、実印用の書体と言えば、この書体をイメージされる方が多くなってきました。
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